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 最低です。
 もう、何もかもが嫌になりました。
 でも悪いのは周囲ではなくて。
 大勢の人に迷惑がかかったのも。
 そして、大切な人を傷つけてしまったのも。
 全て私が悪いのです。
 全ての元凶が私なのです。
 初めから北斗に入ろうだなんて思ったりしなければ、この事態は起こらなかったはずです。
 私が余計な事をしなければ。
 精霊術法さえ覚えなかったら。
 そもそも私さえいなければ。
 この世には沢山の人間がいます。私一人くらい居なくても、何の不都合もありません。
 いえ。
 むしろいない方が良いに決まってます。
 私が居ても何も得られるものはありませんが、不都合は山ほど出てきます。だから、私なんていなくなった方がずっといいのです。
 今回の事で、本当に沢山の人に迷惑をかけてしまいました。
 行く先のなくなった私を引き取ってくれたファルティアさん。
 精霊術法の扱い方を指導してくれたリーシェイさん、ラクシェルさん。
 私を止めるために尽力してくれたレジェイドさん、ルテラさん、ヒュ=レイカさん、ミシュアさん。
 そして。
 私が密かに想いを寄せている男の人、シャルトさん。
 本当に申し訳なくて、情けなくて、自分が許せません。
 もう、二度と同じ過ちを繰り返す訳にはいきません。
 私は死ぬべきだと思います。
 昔、何かの本で読んだ事があります。大きな罪は、自らの命を持って償うのが道義であると。
 私も迷惑をかけたみんなへ謝罪の意味を込めて、その精神に殉ずるべきです。
 これで私が許されるかどうか分からないけれど。
 少なくとも、こんな事件は起きません。
 少なくとも、私がいなくなれば。



TO BE CONTINUED...