ナイブズ・アウト
ミステリー作家ハーランの85歳の誕生パーティーの日、親族達は表面上は仲良く談笑しているものの、どこか緊張した雰囲気だった。その原因はハーランにあり、彼と話した何人かは激高したり落胆したりしていた。
翌日、ハーランは遺体となって発見される。彼は大きなナイフで自らの喉を切り裂いて死んでいた。明らかな自殺であるが、事件の捜査には私立探偵のブランの姿があった。彼は、何者かに事件の記事の切り抜きと札束を送付され、それを匿名による事件の捜査依頼と考えていたからだ。
監督はライアン・ジョンソン。主演はダニエル・クレイグ、クリス・エヴァンス。
アガサ・クリスティへのリスペクトをふんだんに盛り込んだ本格ミステリー映画です。
名作家の唐突な自殺、状況証拠はそれで疑いようが無いのだけれど、家族達の不可解な行動や嘘の証言など、辻褄の合わない何かを探偵ブランが解き明かしていく物語。犯人からの視点で話は進んでいくのだけれど、展開が二転三転しなかなか予想のつかない内容でかなり楽しめました。序盤から本当に些細な言動に伏線が張られていて、その回収の仕方も実に見事でした。また、気さくで優しい家族達が遺産相続のくだりで豹変していくところも秀逸です。基本的にこの手の犯人の動機は、色恋か怨恨か金だけれど、本作は序盤からストレートに金金金、当然動機も金であり、全員が犯人になり得る構図が素晴らしい。そんなドロドロした中で探偵ブランは、推理力よりも狂言回しをうまくやってくれるので状況が整理しやすく見やすいのも良いところです。
オススメ度は5。監督はアレの悪評を完全に覆したと言っても良いほどの出来です。ミステリー好きには当然のようにたまらない内容なのでおすすめできる一本です。
Posted: 2 月 1st, 2020 under 2020, 映画.
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