ボーダー 二つの世界
醜い容貌のティーナは、生まれつき特殊な嗅覚を持っていた。その力を活かし、税関職員として働いていた。ある日ティーナは、自分と同じ醜い容貌を持った男、ヴォーレと出会う。彼は何故か虫を持ち歩いていた。明らかに不自然な男だったが、以来ティーナは強く彼を意識し始める。
かなり奇っ怪な内容のスウェーデンの映画です。ジャンル的には現代伝奇? ホラー? とにかく、冒頭からは考えられない妙なカタルシスのある作品です。
真面目なティーナが、たまたま仕事中に関わった出来事で警察に協力する事になり、それが後々に図らずも自らの出生の秘密に関わってくる訳ですが。意外と伏線がしっかり張られ、かなり奥深いストーリーになっています。ざっくり見ればおとぎ話のようなストーリーなんだけれど、これを現代社会にうまく落とし込んだ内容です。
ティーナとヴォーレの関係はよくあるロマンス的なもの、とは言いつつ。言い切ってしまうと、ものすごく絵面はおぞましいです。それは判明したティーナの正体も含みで。そもそもなんでここまで徹底するのかと思うほどに。そして更にはヴォーレについてもかなり容赦ないというか踏み込んだ内容になっていました。全体的に良くも悪くも刺激が強く、人によってはかなり嫌悪感を催す描写です。しかしそれらは、マイノリティを描く上で必要なことなのかも知れません。この嫌悪感はそもそも社会通念的なものでは? とやや錯乱しそうになりました。
オススメ度は4。かなり人を選ぶ特殊な作品です。とにかくエログロとは違うベクトルのショッキングな内容を含む作品のため、かなり好き嫌いが分かれるでしょう。
Posted: 12 月 7th, 2019 under 2019, 映画.
Comments: none
Write a comment