マイ・ブックショップ
戦争で夫を失ったフローレンスは、夫婦の長年の夢だった本屋を寒村で開く。しかし女性が開業することと馴染みのない本屋であることに、フローレンスに対して快く思わない人々もいた。そんな彼女の最初の顧客は、読書にしか生きがいのない一人の老紳士だった。本屋も徐々に軌道に乗り始めたかのように見えたが、地元有力者の妨害がいよいよ本格化する。
イギリスの寒村を舞台にした、本屋を巡るお話。作中には実際の小説、華氏451やロリータなどなど登場します。これらがうまくストーリーに組み込まれていて、何となく小説が好きな層への強烈なアピールにも感じました。
僕はそこまででもないのだけれど、おそらく読書家にはグッと来る演出がふんだんに散りばめられた作品だと思います。ただ、ストーリー上それは弱者側であり、読書家は弱者であるという恣意的なものがあるというのは穿ち過ぎた考えでしょうか。ただ華氏451が無意味に使われている訳でもないだろうし。
ラストはかなり意外なものでした。あえて直接的に見せなかったのは、制作側の良心の問題だったのだろうか? 個人的には直接的な方がインパクトはあったと思うけれど、そこは敢えて小説的な思わせぶりな演出に留めたのかも知れません。
オススメ度は4。読書愛に溢れつつも、割と陰鬱で晴れ晴れとはしない展開です。読書家にはオススメ、とも言い難い何とも奇妙な余韻のある作品です。
Posted: 4 月 6th, 2019 under 2019, 映画.
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