運び屋
朝鮮戦争に従軍した退役軍人のアールは、デイリリーを育てる仕事ばかりで家族のことを全く顧みない人生を送ってきた。そのため一人娘とは決定的に仲違いをし、妻とは離婚、唯一味方をしてくれたのは孫娘だけだった。
アールは借金の方に農場を失い途方に暮れていたが、ニコという青年から割の良い仕事の紹介を受ける。年老いた自分でも簡単に出来るからと受けたが、その仕事とは麻薬組織の麻薬を運ぶというものだった。
主演はクリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー。監督もクリント・イーストウッド。
実在する90歳の運び屋の話が元になった作品。主人公のアールは、やはり古き良き時代のアメリカを懐かしむ偏屈な老人をクリント・イーストウッドが演じています。口が悪く見栄っ張りで、従軍経験と歳のせいもあって怖いもの知らずのマイペースな性格のせいか、麻薬組織の構成員達とはまるで言うことを聞かないため最初は衝突するもののすぐに打ち解けるあたり、同じ実在する運び屋バリー・シールとは異なる厄介者ぶりを発揮しています。面白いのが、大金を手に入れても自分以外のために使うところ。見栄っ張りな性格が原因でもあるのだけれど、こういう所に人の良さが窺えました。
中盤から彼の取り巻く環境が激変するのだけれど、それでもアールはアールであり、そして大金を稼ぐのが目的だったのではなく、大切なものを取り戻したかったとどこか悲しげな老人の姿に変わっていくのは、教訓めいた結末だったように感じました。
オススメ度は5。派手な演出は無いのだけれど、歳を取っていればいるほど突き刺さるような内容に思いました。イーストウッドのファンにもオススメの内容です。
Posted: 3 月 8th, 2019 under 2019, 映画.
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