空飛ぶタイヤ
中小企業である赤松運送を切り盛りする二代目社長の赤松は、ある日自社のトラックが脱輪し死亡事故を起こしたと連絡を受ける。事故の原因は整備不良と一方的に決めつけられ、それにより赤松運送の資金繰りは急激に悪化する。社員の徹底した仕事ぶりを信じる赤松は整備不良の一点張りのホープ自動車に強い不信感を懐き、独自に調査を始める。するとホープ自動車が再びリコール隠しを行っている疑いが浮上してきた。
主演は長瀬智也。原作は池井戸潤の同名の小説。
三菱自動車が実際に行ったリコール隠し事件を元にした社会派作品です。主人公の赤松は二代目の若社長で、演じる長瀬智也は割とそういった雰囲気にマッチしているように感じました。原作は未読なのでどういった人物なのかはわからないけれど、感情的になるとチンピラみたくなるのは再現しているのだろうか? 普段は苦み走って苦境にいる辛さを押し殺している感じが良いんだけれど。下手に賢いセリフを言うとボロが出るからなのだろうか?
笹野高史を始めとする脇役陣がしっかりしているため、冒頭からの作品の世界観が非常に伝わりやすく没入感が凄かったです。割と群像劇に近く、様々な立場の人間の思惑が事件を巡って交錯していく展開がきれいにまとまっていました。かなり登場人物も多いのだけど、その辺りを分かりやすく整理しているのは監督の技量でしょう。
主人公と同じくらい重要人物であろう沢田演じるディーン・フジオカはちょっと演技力不足かなと思いました。喋りが硬いというか片言というか。これならもっと適役の俳優が他にいただろうに、ここがもったいない。
オススメ度は4−。綺麗にまとめつつも見せ場ではきちんと盛り上げる絶妙な社会派作品だと思います。役者の好き嫌いはあるかもしれません。
Posted: 6 月 15th, 2018 under 2018, 映画.
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