モリーズ・ゲーム
スキー選手としての道を断念したモリー・ブルーム。進学前に不動産業を営むディーンの元で雑用のバイトをするが、その際に彼が密かに開く違法カジノのアシスタントを命じられる。様々な業界のセレブリティを相手にする内に様々な知識を身に着け、彼らからの評判も上がっていくモリーだったが、彼女の増していく存在感に危機感を覚えたディーンから理不尽に解雇されてしまう。
しかしモリーは彼らを一斉に引き抜く形で自分のカジノを開く。完全に合法で経営していたものの、徐々に経営が厳しくなり違法である手数料の徴収を始める。
監督はアーロン・ソーキン。各界の著名人や億万長者等々、そういったセレブリティばかりを顧客に持って開いていた違法カジノの経営者モリー・ブルームの半生を描いた作品。本作は彼女の著書がベースになった実話ですが、モリーは自らの信念の元顧客の実名を一部を除いて明かしておらず、作中では偽名または記号的な人物に置き換わっています。
主人公モリーがどういった生い立ちで、どういった経緯で違法カジノを開き、そして逮捕、裁判となったのか。それらの経緯を描いた作品です。モリー本人の視点で進み主観的な内容であるため、彼女が要所要所の出来事で何を感じどう決断していったのか、そういったものを伝えようとする演出になっています。このモリーの主観が実に面白い。彼女の信念がどういった経緯で形成され、どこで血迷ってこうなったのか、その経緯が本当に興味深く楽しめました。何故彼女が顧客の実名を明かさないのか、裁判はどうしてああいった結末になったのか、掘り下げれば掘り下げるほど味のある脚本だと思います。
オススメ度は5−。
社会派の脚本やクライムサスペンスなどが好きな方には是非ともオススメしたい作品。同監督のソーシャル・ネットワークやマネーボールがハマった方は間違いなくハマるでしょう。
Posted: 5 月 12th, 2018 under 2018, 映画.
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