シェイプ・オブ・ウォーター
航空宇宙技術研究所で掃除婦として働くイライザは、耳は聞こえるものの言葉を話すことが出来なかった。ある日、研究所には厳重に梱包された謎の生物が運び込まれてくる。人間のような四肢を持つものの、それは明らかに異形の怪物、水生生物だった。
イライザはこの怪物が警備主任であるストリックランドに苛烈な虐待を受けている事を知り、それ以来この『彼』が気になり始める。ゆで玉子や音楽などで気を引きコミュニケーションを取っていく内に、次第に二人の間には信頼関係が芽生えてくる。そんな中、この怪物は宇宙開発技術の発展のため、生体解剖を試みようという話が持ち上がってくる。
監督はギレルモ・デル・トロ。
話せない女性と異形の怪物との恋愛を描いた、伝奇モノ? といった作品です。美女と野獣ほどのロマンスは無く、むしろ日本の昔話的な美談ホラーに近いやも知れません。意外と表現に困る、なかなか独特の雰囲気を持った作品です。
人間以外に恋をする人間の話は、割と太古の昔からありますが、それを60年代のアメリカを舞台にしたことでどれだけハードルが上がるのか。まずそういったタブー感もある、かなり挑戦的な内容に思えました。一方でストーリーは意外と素直です。こう裏を読んだり含みをもたせる要素がほぼ無く、かなり一直線。ストーリーは本当に王道なのかも知れません。また台詞回しが意外と凝ってるのが面白かった。イライザの親友ゼルダの名前とサムソンの逸話、何気なく話したそれが最後までなぞっていたり、尺の長さの割りにきちんと考えられた構成なんだなと感心しました。
ラストはちょっと泣きそうになりました。お酒が入ってたせいもあるけれど、これハマる人は結構ハマるかも知れません。
オススメ度は5。かなりアクは強い作品だと思います。予告編でピンと来た人は、かなり楽しめるでしょう。そうでなければ、嫌悪感の方が強いかも知れません。
Posted: 3 月 9th, 2018 under 2018, 映画.
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