Lazy Bear

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ザ・ダンサー

19世紀、自身が考案した布と照明を駆使した創作ダンスと共にパリへ渡ったロイ・フラー。当時ダンスなど娯楽でしか無いと思われていたが、彼女の考案したものは衣装だけでなく舞台装置を用いた演出まである、観客を意識したものだった。たちまちロイの名は知れ渡り、様々な著名人が熱狂する。その一方で彼女の創作ダンスは体への負担が大きく、視力までも低下していく。しかしロイの元には憧れだったオペラ座での公演の話が持ち上がっていた。


実在した女性ダンサー、ロイ・フラーの半生を描いた作品です。シルクの布と光を用いたダンスを創作した人物ということで、作中では何度か非常に特徴的なダンスのシーンがあります。それらダンスのシーンは鮮やかで迫力があるのだけれど、練習シーンや公演後では彼女の非常に疲弊した姿があります。世間はおそらくダンス中の華やかな姿しか知らないのだけれど、この作品はむしろ舞台以外の姿に重点を置いているように思えます。初めこそ希望と野望に満ち溢れたエネルギッシュな姿のロイですが、次第に練習による疲弊で心身共に疲れ果て、終盤は異様な執念を感じさせる鬼気迫った顔つきになります。自分の世界観を持ち表現する力があるからこういった道に進んだのだろうけれど、このバイタリティは一体どこから来るのか、それが今ひとつ分かりませんでした。それは映画で分かるようなものではないのかも知れません。
あと、なにげにジョニー・デップの娘が出ていました。

オススメ度は4。取り憑かれる、とまではいかないものの、自身の世界観の表現に執着した姿はとても見応えがあると思います。

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