日本沈没
地殻の異常な変動により、日本はあと三十年以内に沈没してしまう事が研究者の調査により発覚する。
しかし、独自に調査を進めていた田所博士は、状況はより深刻なものである事に気付く。彼の試算する日本沈没までの残り時間、それはわずか330日足らず。そして、この異変を裏付けるかのように日本各地で巨大な地震や火山の噴火が始まった。
原作は小松左京の同名小説。また1973年に公開した映画のリメイク版です。
さて何かと話題のこの作品ですが、厳密には「日本沈没」ではありませんでした。「日本沈没」を原案とした全く別のものです。
展開は、さすがに原作がしっかりしたもので非常に引き込まれる魅力的なものでした。しかし、随所に理屈に合わない事や突っ込み所が満載で、引き込まれるもののすぐに離れてしまう、そういう浮き沈みの繰り返しです。役者陣がせっかく好演しても、貧相な演出によって粗ばかりが目立ってしまいます。
CGを使った日本の壊滅ぶりは見応えがありました。けど、イマイチこれはパニック映画なんだというパンチに欠けると思います。また、日本が沈没するに当たり各国がどういう反応をするのかも出して欲しかったし、リアリティも無かった。
中盤からラストにかけての主人公は、割と個人的には好きな展開でした。でも、これは日本沈没だし、海外に渡った日本人はどうやってアイデンティティを確立するのかとか、恋愛とか家族とかよりもそういう部分をもっと掘り下げて欲しかったです。
映画だからこそ、細かい部分までこだわって作って欲しい。最近の邦画の深刻な商業化が良く出た作品です。
オススメ度は3。ひとまず話題性重視です。
「日本沈没」ではない何か他の映画、という感覚で観に行くとかなり楽しめるような気がします。
Posted: 7 月 16th, 2006 under 2006, 映画.
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