海賊とよばれた男
国岡商店店主、国岡鐵造は、石油業界では新参でありながら突飛な手段で躍進を遂げていた。その様を蔑称として海賊と呼ばれていた。
戦後、石油の元売りとして発信し始めたものの、外資系企業の圧力により経営危機に陥る。そんな現状の打破のため国岡鐵造はあまりに常軌を逸した決断を行う。
主演は岡田准一、原作は百田尚樹。
本作は史実を元にしたフィクション作品です。後から調べたのですが、日章丸事件以外はほぼ創作だそうです。
若年、壮年、老年とそれぞれの国岡鐵造を演じる岡田准一ですが、そういう演技指導なのか分かりませんがまあとにかくガラが悪く、海賊というよりチンピラみたいな演技でした。モデルの出光佐三はそういう人柄だったのかは分かりませんが、典型的な家長の思想を拡大解釈されたのかも知れません。
時代がちょくちょく変わる描写がありますが、思ったより時系列が気にならずとっつきやすい構成でした。尺も長めの作品ですが、あまり長さを感じさせず何だかんだで中弛みのない良い構成だったと思います。
ストーリーですが、なんかこうお年寄りにウケそうな人情描写がちょくちょくあり、そういう所にファンタジーさを感じました。そのため、流石にそれはないだろ、という感じ方をし水を注される気分になります。こういった演出はかなり好き嫌いが分かれると思います。普通に考えてかなり酷いエピソードであるにも関わらず、感情論精神論で何となく良い話風に持っていく強引さは、嫌いな人はかなり嫌いそうです。
鑑賞後に日章丸事件について軽く調べてみたけれど、正直史実の方が映画より凄い事をしているように感じました。やはりフィクションとしての演出部分が強過ぎるのだと思います。
オススメ度は4−。案外好き嫌いが分かれる作品だと思います。ベタベタな人情噺が嫌いな人にはまず合わない内容でしょう。
Posted: 12 月 10th, 2016 under 2016, 映画.
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