Lazy Bear

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椿三十郎

古びた神社の中で上役達の不正を何とか粛正しようと話し合う9人の若い侍。偶然そこに居合わせた浪人、椿三十朗は、彼らの浅はかな考えについつい口を挟んでしまいそのまま彼らに協力する。


黒澤明と三船敏郎のコンビが世に送り出した娯楽時代劇のリメイク版です。
個人的に主演の織田裕二が出る映画は、例のシリーズものを除いてそこそこ楽しめるものが多いから安心できるイメージがあります。これはリメイクものだけど織田裕二ならなんとかしてくれるだろうと思ってたが、残念ながら何ともなってませんでした。

何故だろう、この全体的に感じる違和感。役者は何の問題も無い。むしろ好演と言ってもいいぐらい。脚本はほぼオリジナルのまま。それなのに、場面の切り替わり方や演出にイマイチ入り込めない違和感がある。
僕は割と時代劇は好きな方で、本当に小学校に入る前からTVで祖父と一緒に見ていました。昨今の時代劇映画もそれなりに数を見ています。けれど、何かこれはおかしい。演出のコミカルさとかリメイクだから現代風なんだろとかじゃなく、本当に一個の作品としておかしい。これ、単純に監督が駄目なんじゃなかろうか? 時代劇を撮った事が無いのだろうか?
とりあえず一番気になったのが照明。なんであんなに全体的に明るくするのだろうか。時代劇で白い光は刃物だけじゃなかろうか。何故、夜の和室を明るくする? おかげで時間帯の雰囲気がまるで出てない。
それから着ている物。なんでまたみんなああも小奇麗な格好をしている? 椿なんか特に。もっと小汚くて良かったはずだ。あれだけ織田裕二が熱演しているというのに。血糊も拭かず刀を納めるとか、人間縛るのにあんな極太の縄を使うとか。もっと小物にこだわって欲しい。
それから建物。位置関係が曖昧なばかりか、建物の構造が全く見えない。同じ場所を同じ方向ばかりで撮ってる。無論、メインは役者だけれど、役者の顔ばっかり撮ればいい訳じゃない。

とまあ、役者は100点監督0点という、邦画にありがちなものに落ち着きました。結局、黒澤云々言えるだけの力量が監督には無かったということ。
こうやって下らないリメイクを量産するのは本当にやめて欲しい。まるでこっちが本作みたいに後世に伝わりかねないから。

オススメ度は2−。役者に思い入れが無ければスルーが無難。ましてや、これをリメイク物だと知っていて観に行く人は相当のガッカリ感を覚悟しなくてはいけません。リメイクはともかく、単純に時代劇映画として劣っているので。

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