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64-ロクヨン-前編

昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件は、昭和天皇崩御のためほとんど報道がされなかった。事件が未解決のまま時は過ぎ、事件は時効まで残り1年となる。かつて刑事部で事件を担当していた三上は広報官として働いていたが、三上は自身の上役からの押し付けと記者クラブからの突き上げに遭い、辛い立場にあった。


主演は佐藤浩市。同名の小説の前編になります。
誘拐殺人事件を巡る警察のサスペンス映画ですが、本作は基本的に事件への直接的な捜査はほとんどありませんでした。事件の関係者の現状や経緯を確認するくらいで、サスペンス要素を期待すると案外拍子抜けします。
一番多く描かれているのが、三上と上役や記者クラブとの衝突でした。とは言っても三上は上役に対して表立って歯向かう事は出来ないため搦手搦手となります。また記者クラブは本当に酷い有様でした。とにかく暴力沙汰を含め揉め事を起こす事しかせず、三上を困らせては悦に入るような連中ばかりです。一人くらいまともな記者が居れば良いものを、どうしてこんな露骨に悪しざまに描いたのか気になりました。それとも実際地方の記者クラブとはこういう程度のものなんだろうか?
展開の組み立ては非常に緊迫感があり、かなり時間があっという間に過ぎたように感じました。またラストには後編に続く良い引きもあって、かなり楽しみです。

オススメ度は5−。サスペンス映画の割にサスペンス要素が少ないのは残念ですが、各俳優陣の熱演が本当に見応えのある良いものでした。後編にも期待感が持てます。

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