砂上の法廷
少年が父親を自宅でナイフで殺害し逮捕、第一級謀殺という罪状で起訴される。少年の弁護を引き受けた弁護士ラムゼイは、殺された弁護士ブーンにはとても世話になっていた。弁護を依頼したのは妻のロレッタ。少年マイクをどうにか無罪にしようとするものの、マイクは事件以来口を閉ざしたまま一言も話そうとしなかった。そのため、自供と凶器のみというずさんな捜査だけで立件、有罪判決が濃厚という見通しになっていた。
主演はキアヌ・リーブス、監督はコートニー・ハント。前作「フローズン・リバー」以来です。
ある殺人事件を元に繰り広げられる法廷劇。コピーでは”騙される”という単語を強調しており、かなり観客の意表をついた展開が期待されるところでした。
この作品の展開は実に良いものでした。マイクがブーンを殺して確定、となってはいるものの、証言が出てくるたびに何かしら引っかかる要素が残ります。そのせいで、実は誰が真犯人だといった推測を楽しみながら最後まで緊張感を維持できました。そして結末は、本当に些細な情報一つでガラリと引っ繰り返りました。そのため、主要な登場人物達の思惑が更に推測する余地が出てきます。事件そのものはきちんと真相が明らかになりますが、この終わり方はなかなか印象深いです。劇中のセリフで弁護士が追求すべきは依頼人の利益か真実か、というのがあります。まさにこのセリフが突き刺さる脚本だったと思います。
オススメ度は5。程良い尺と緊張感のあるサスペンス作品。久々の良作だったと思います。ただし、キアヌ・リーブスの良さが引き出されているかどうかはちょっと疑問なので、あまりファン向けではないかもしれません。
Posted: 3 月 26th, 2016 under 2016, 映画.
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