イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密
第二次世界大戦中、イギリスはナチス・ドイツの猛攻を受け、その被害は甚大なものとなっていた。特に連合軍を悩ませていたのは、全くの解読不可能なドイツの暗号機エニグマの存在だった。エニグマは特定の鍵を元に複雑な暗号文を作り出し、その鍵は毎日午前０時に更新される。単純作業による解読では、とても出来るものではなかった。
その状況を打開すべく、軍はあらゆる分野の暗号の専門家を招集する。その中には、幼少より天才と呼ばれていた数学者、アラン・チューリングもいた。
主演はベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ。
アラン・チューリングは、実在するイギリスの数学者です。IT業界の僕にして見れば、いわゆる人工知能の生みの親といった存在です。そしてエニグマは有名な暗号機で、これだけなら聞いたことがある人は大勢いると思います。
アラン率いる解読チームが、エニグマという怪物に挑む作品です。話は実話を元にしており、とにかくアランは変人だったという部分が強調されていました。ベネディクト・カンバーバッチの演技が実に良く、アランという人物がすぐに理解できる見事なものです。そんなアランが苦戦に苦戦を重ね、遂には暗号を解読する機械を作成します。これが今日のコンピュータ処理の概念の元になっていると言われています。それだけの功績を残したアランだけれど、当時の政情や機密部分に深く触れる事もあり、その後の展開はかなり物悲しいものでした。特に晩年のアランは、とにかく孤独で寂しいもので、それを演じきったカンバーバッチは見事としか言いようがありません。
オススメ度は５。カンバーバッチと共演者達の好演が光る作品です。特段第二次大戦中の出来事に詳しくある必要はないので、骨太で演技派の作品を見たいという方には是非ともオススメです。
Posted: 3 月 14th, 2015 under 2015, 映画.
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