プロミスト・ランド
最大手のエネルギー企業であるグローバル社、その幹部候補であるスティーヴは、寂れた農業町マッキンリーへと向かう。そこにはシェールガスが埋蔵されており、何としてでも採掘権を手に入れるべく住民との契約に奔走していた。貧乏な町民達は、シェールガスとそれにより手に入る金額に眼の色を変え、初めは簡単に契約へ乗る。だが環境保護団体を名乗る男ダスティンは、グローバル社の悪辣振りを喧伝して回り、露骨な妨害工作を始める。
主演はマッド・デイモン。
シェールガスを巡る大企業と住民、そして金と環境問題をテーマとしたお話です。
主人公であるスティーヴは、流石に幹部候補だけあって序盤は言葉巧みに契約を取って回るものの、一旦劣勢になった途端、全てが後手後手の上にまともな対応も出来ず、個人的にはあまりエリートっぽさを感じませんでした。どちらかと言えば、嘘のつけない純朴な青年といった印象です。その割に、シェールガスの埋蔵量や金額をかなり誤魔化してふっかけるような大胆な行動も取っており、一体どういう人物なのかと混乱しがちです。
本作のキモとなる、金と環境問題ですが。特にこの金については、かなりシビアな表現をしています。金があれば人生の大半の問題は解決する、そしてその金はシェールガスで簡単に手に入る、スティーヴの主張はそれで一貫しています。住民達もやはり金に眼の色を変えるのが大半で、状況が状況だけにかなり自然な反応と思えます。
個人的に本作のラストは、非常にもやもやする納得のいかないものでした。結局スティーヴは全方面が得をしない最悪の選択をしたと個人的には思います。そもそも幹部候補になるほどの人物が、これまでも同じ方法で幾つも契約を取ってきたにも関わらず、どうしてこんな青臭い人柄なのか違和感があります。それまで金の魔力と企業の悪辣さもきちんと描いて来たのに、悪い意味での綺麗事で終わらせた結末にはどんな意図があったのか。ずっとこれが引っかかってなりませんでした。
オススメ度は4−。結末は賛否分かれると思います。ただ、金と企業と環境問題をかなりシビアに描いた展開と、マッド・デイモンを初めとする演技は非常に見応えのあるものでした。
Posted: 9 月 14th, 2014 under 2014, 映画.
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