憑神
代々将軍の影武者を担ってきた別所家の次男である彦四郎は、文武両道に優れた秀才であったものの今は無役で兄の家の居候の身分だった。
ある日彦四郎は、出世した幼馴染が伊勢のとある神社へお参りしたところ、それ以降運が巡ってきたという話を耳にする。まさかそんな事などあるはずは無いと疑ったものの、彦四郎は物は試しにと神社へ手を合わせる。しかし彦四郎が手を合わせた神社は、災いの神を祭る神社だった。
大ヒット作品である『鉄道員』のコンビが製作したこの作品。
いわゆる娯楽要素を含んだ時代劇で、序盤からコミカルなタッチで楽しみやすい作風になっていました。
ただ、これがただの愉快な時代劇という訳でもなく、不幸の神に取り付かれて七転八倒する彦四郎の様子は非常に面白いのですが、徐々に自分の人生について考え始める様に奥深さを感じます。
時代は幕末という事もあり、侍や近代化といった複雑な流れがのしかかってくる、武士にとっても激動の世の中。その中で目先のことから日本の行く末まで思い悩み、そうなるきっかけが災いの神だったというのが面白い発想だと思います。
笑いとシリアスとを非常にバランス良く積み重ねて、うまくまとまった綺麗な作品ではあったのですが。ただ、ラストには非常に余計に思えるシーンが。そこさえ無ければ、娯楽作品として完璧と言っても良い出来映えなのだけれど。そこが非常に勿体無い。
オススメ度は5−。マイナスはまさにラストの余計な部分です。
コメディ時代劇ではあるけれど、意外と若い人でも見て面白い内容だと思います。時代劇に特別忌避感が無いのであれば、思い切って見てみると良いでしょう。後悔はまずしないと思います。
Posted: 6 月 23rd, 2007 under 2007, 映画.
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