グランド・ブダペスト・ホテル
戦禍で家族を失った移民のゼロは、名門グランド・ブダペスト・ホテルでベルボーイの見習いとして日夜働いていた。このホテルにはグスタヴという名コンシェルジュがいて、ゼロは彼から多くの事を学ぶ。グスタヴは仕事に厳しく、客のもてなしについては日夜心血を注いでいる。そんな彼は老齢の女性からの誘いを断らず、ホテルには彼を目当てに来る者も決して少なくはなかった。ある日、ホテルの常連であるマダムDが急死する。すぐさま彼女の葬儀へ駆けつけたグスタヴは、そこで自分がマダムDの所有する絵画「少年とリンゴ」の相続者となっている事を知る。この事を快く思わない遺族達は、グスタヴを容疑者へしたてあげようとする。
グランド・ブダペスト・ホテルの名コンシェルジュと見習いベルボーイのコンビによる、戦時だった当時を背景に繰り広げられるコメディタッチな映画です。
無実の罪から容疑者となり、その後に収監、そして脱獄囚となる名コンシェルジュのグスタヴ。そんな彼に付き従うゼロとの掛け合いが非常にテンポ良くて楽しめました。莫大な遺産相続を巡る逃亡劇が話の中心なのですが、それは老年のゼロの回想形式で語られ、それもまたジュード・ロウ演ずる作家の回想という形になっています。少々複雑な感じがしますが、メインは1932年のため、そこだけ押さえておけば問題はありません。
グスタヴとゼロは様々な人物と関わりあいますが、いずれも個性的で顔と役が一発で覚えられるほどです。そういった濃い面々と繰り広げられる逃亡劇は、時にコミカル、時にシニカルで退屈させられません。ただ、雇われ殺し屋の辺りはキツイ描写が少々あり、それが不意打ちのように来るので悪い意味で驚いてしまいます。とりあえず、バスケットには御注意。
オススメ度は5−。非常にコミカルで情味溢れる展開が楽しめます。ただし、意外なほど唐突に来る残酷描写には要注意です。
Posted: 6 月 7th, 2014 under 2014, 映画.
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