キャプテン・フィリップス
アラバマ号の船長であるリチャード・フィリップスは、ソマリア海域を航行中、突如ソマリアの海賊に襲われる。その際にフィリップスは海賊達の人質となってしまい、そのまま4日間に渡って彼らと行動を共にする事になる。
2009年4月に実際に起こった事件である。
主演はトム・ハンクス。実際に起こったソマリア海域の海賊人質事件をベースとしたノンフィクション映画です。
非常に真面目で厳しい船長であるフィリップスが、海賊に襲われ人質になるという一連が描かれています。
この作品は130分ほどの尺ですが、とにかく緊張感のある映画でした。海賊が現れてから、後はほとんど最後まで緊張の連続で、本当に時間があっという間に過ぎたように感じます。その緊張感は、海賊達がとにかく執拗でありながら知性が欠けているためにまるで話が出来ない事にあると思います。とにかく、人質を取って身代金を儲けようというのが目的なのにもかかわらず、すぐに殺そうとする短絡さが恐ろしく、それが恐怖と緊張感を煽ってきます。そんな彼らに対し、ある時は毅然と、またある時はのらりくらりとかわしながら、時間を稼ぎつつ他の乗組員の命を守ろうとするやり取りは、前述の短絡的な海賊達と合わさる事で、本当に極上の緊張感を生み出します。この、いつ殺されてもおかしくない、という状況がこの映画の一番の見どころだと思います。
後半にはアメリカ海軍がやって来て、状況的には完全に詰む訳なんだけど。この辺りのやり取りや、フィリップスがおもむろに遺書をしたためる所は、また別の緊張感と恐怖心を煽ってきます。普通に考えてアメリカを敵に回すとか無謀以外の何物でもないのだけど、それをやってしまう展開からの恐怖と緊張は本当に手に汗握ります。
オススメ度は5。有名な実話ですが、こういう本人視点の展開は本当に見応えがあります。時間を忘れるほどの緊張感が、この極限状態を疑似体験させてくれることでしょう。
Posted: 11 月 30th, 2013 under 2013, 映画.
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