エリジウム
富裕層は宇宙コロニー『エリジウム』で不自由なく生活する一方、貧困層は地球で苦しい生活を余儀なくされていた。
地球で工場勤めをしながら生活するマックスは、ある日の仕事中に事故で大量の放射線を浴び、余命は５日と宣告される。助かるにはエリジウムにある医療ポッドに入るしか無いマックスは、不法入国シャトルに乗船するため、地球で生活するエリジウムの住民の誘拐をする事になる。
監督脚本は、『第９地区』のニール・ブロムカンプ。主演はマット・デイモン。共演にジョディ・フォスター、シャールト・コプリー。
富裕層vs貧困層という、デストピア系のSFアクション物です。この手の対立構造は良くあるものですが、やはりニール・ブロムカンプらしく、焦点は地球の貧民街、ゴミゴミしたところの描写にあります。メカや機械類のデザインも非常に特徴的で、サイバーパンクっぽい所がわくわくしました。特に主人公マックスが装着するパワードスーツは、如何にもなデザインなのが良いです。
マックスが如何にしてエリジウムに行くのか、というのが一つの課題なのだけど、かなり場当たり的で計画性が無いように思いました。そもそもマックスは、余命が少ないせいか非常に物分かりが悪い印象を受けました。感情的で粗野という性格設定なのかなと思います。また、エリジウム側も平和ボケしている設定なのか、妙にのんびりというか頭が悪いというか、抜けている所があります。そんな彼らを指して、ジョディ・フォスター演ずる高官は、腫瘍を取り除かねば、と孤軍奮闘していたのでしょう。ただ、若干展開に御都合主義的なものも否めませんでした。
前作『第９地区』を思わせる対立構造を持った映画ですが、個人的にはそれ以上のものは感じられませんでした。結局のところは結果論で感動エンドを迎えただけにしか過ぎず、その過程にも御都合主義がチラホラ見えてはどうにも入り込む事が出来ません。
シャールト・コプリー演ずるクルーガーのゲスい演技は、個人的にはなかなか好きでした。やっぱこの人、悪役の方が似合うように思います。
オススメ度は３＋。SF映画としてまあまあ、といった内容です。話の規模を大きくし過ぎたせいか、今ひとつピンとこない人もいるかもわかりません。
Posted: 9 月 21st, 2013 under 2013, 映画.
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