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マリー・アントワネットに別れをつげて

シドニーは、マリー・アントワネットに心酔する朗読係だった。王妃から厚遇を受ける彼女は、真面目で口が硬く信頼出来る人物である一方で、自分の素性を語らない謎に満ちた人物でもあった。
ある日シドニーは、バスティーユが市民の襲撃を受けて陥落してしまったという噂を聞きつける。その後、実しやかに囁かれるようになり、諸侯達は次々と王宮から姿を消していった。そして遂に市民達の暴動はエスカレートしていき、死刑リストをばらまき始めた。そこには国王を初めとする諸侯達の名前286名が並んでいた。


主演はレア・セドゥ、ダイアン・クルーガー。
1789年に実際に起こったバスティーユ襲撃事件にまつわる、王宮内で起こった出来事を元にしたフィクションです。
主人公であるシドニーの視点を通じ、マリー・アントワネットや貴族達の動向を描いたもので、当時の衣装や風習に文化などを良く再現したように思えるほど、雰囲気が良く出来た作品でした。バスティーユ事件そのものは、作中では噂話程度にしか出ておらず、直接的な繋がりはありません。それに対して王宮はどう動いたのかがメインなのですが、ほぼ狼狽えるか逃げるかで終始しているように思いました。もっとも、実際にはそうであったのかも知れません。そのため退屈するかと思いきや、狼狽え方もそれぞれで、逃亡したり盗みに走ったりと追い詰められた時の人間性がよく描かれていると思います。
シドニーは基本的にマリー・アントワネットが第一で、表情に乏しく何を考えているのかも分かり難い印象を受けました。観客の視点に立つ透明な主人公なのかも知れません。そんな彼女も、やがては疲弊したマリー・アントワネットに手酷く扱われたり、それがぼんやりとしたラストに繋がるなど、史実に組み込んでも矛盾が生じないよう気を使っているのが分かります。
話は基本的に史実に沿っているため、脚色もそれほど派手ではなく、ラストも敢えてああいった形にしたのかも知れません。

オススメ度は4。百合百合しい予告編でしたが、案外人間模様をはっきり描いた歴史物に近い印象でした。また、結構直接的な裸が出て来たりもします。

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