危険なメソッド
精神医学を専門とするユングは、ザビーナという若く美しい女声の患者を受け持つ。彼女の治療には、精神医学の権威であるフロイトの提唱する対話療法を用いる事にしたが、肝心の治療法の手順は未だにフロイトは確立しておらず、ユングは根気強くザビーナとの対話を繰り返し、その治療に成功する。
しかし、ユングはザビーナに対して医者と患者以上の感情を抱いてしまい、ある日その一線を超えてしまう。
主演はマイケル・ファスベンダー、キーラ・ナイトレイ。
実在する精神医学者であるユングの半生を描いた作品です。もっとも、内容は過分に映画的な演出が加えられているため、あくまでモチーフにした程度で認識するのが良いと思われます。
ジャンルとしては恋愛映画になるのかと思いますが、結構その内容は過激で、そういった綺麗で感動的な要素は期待してはいけない展開です。
主に描かれているのは、ユングとザビーナの泥沼のような関係と、ユングとフロイトの対立です。作中はやはり精神医学的な会話、特にフロイトの提唱していた性に結びつけた理論が良く交わされます。実は、僕は子供の時分にフロイト関係の本とかを色々読んだことがあって、劇中に使われる用語の意味や理論などは大体知っています。必ずしも理解しておく必要はないし関係も薄いんだけれど、割と頻繁に出て来るので、知らない人は結構気になるのではないでしょうか。特別な事は言ってないので気に留める必要はないのだけれど。
ヒロインであるザビーナを演ずるキーラ・ナイトレイは本当に凄い演技でした。序盤の精神疾患のシーンや、ユングとの関係に依存し始めた所、それから終盤の達観した姿と、その変異が実に如実で経緯がそれだけで分かるほどです。それと、いわゆる「キラー・インサイド・ミー」的なシーンがちょこちょこ挟まるのだけど、そこも下手に隠さないのが凄いなと思いました。
オススメ度は４。サイコ系の人間ドラマといった感じで、少々ジャンル分けには困る内容です。ただ、性愛に関するシーンがかなり多く、家族連れで観賞するようなタイプの映画ではないことは確かです。
Posted: 10 月 27th, 2012 under 2012, 映画.
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