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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

1979年、マーガレット・サッチャーは欧州で初の女性首相に就任する。当時のイギリスは労働組合の活動や過激派のテロ活動などにより、極端な不況が起こっていた。英国病を克服すべく様々な改革に乗り出すサッチャーだったが、その活動は成果が現れず評価はされなかった。そんな中、突如アルゼンチンがイギリス領であるフォークランド諸島へ進軍する。

主演はメリル・ストリープ。
イギリス初の女性首相であるマーガレット・サッチャーの半生を描いた作品です。多分大まかには事実に基づいているようだけれど、本人が存命中であるので、ある程度配慮しているのかなと思われる内容に感じました。
話の展開は思ったよりも複雑というより観難い構成でした。引退後のサッチャーが過去を振り返るような形で描かれているのだけど、時折境界が曖昧になったり、また夫デニスの扱い方のせいもあって、一寸「おや?」と思う事がしばしばありました。どうしてこういう構成にしたのか疑問が残ります。
メリル・ストリープの演ずるサッチャーは、実に貫禄があり如何にも「鉄の女」の異名にふさわしいものだと思いました。けれど、夫デニスを演ずるジム・ブロードベントも負けず劣らずの存在感があり、しかし出過ぎないのが絶妙でした。過去の二人を演じている役者も、設定の歳相応の青臭さがあり実に良かったと思います。
ちょっと気になったのは、話が完全にサッチャー目線でしか語られていないこと。イギリスの経済停滞の原因も労働組合の活動や危機感のない労働党ぐらいしか説明がありません。また、フォークランド紛争にしても、まるでアルゼンチンが不意打ちしたかのような描き方になっていました。もうちょっとここら辺の背景を描いた方が、サッチャーの選択に重みが出るんじゃないのかなあ、と個人的には思います。

オススメ度は4−。やはりメリル・ストリープの演技は目を見張るものがあり、ファンには充分満足できる映画だと思います。ただ、少しばかり当時のイギリスの事情を予習した方がより楽しめるかも知れません。

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