TIME/タイム
遺伝子操作により肉体年齢の成長が25歳でストップする時代。通貨は各々の寿命である時間に置き換わり、貧しい人々は寿命を得るため日々仕事に奔走し、富裕層の人々は永遠の若さを堪能していた。
スラム街に住むウィルは、ある日117年もの寿命を持った富豪ヘンリー・ハミルトンを助けた事が切っ掛けで、彼から残りの寿命ほぼ全てを譲渡されてしまう。
近未来SF物の作品で、原作は無いようです。個人的には古典SFのような印象を受けました。世界観が特殊なものだけれど、寿命が通貨になるハイテクがあるにも関わらず、携帯が無かったり、テレビは今の時代と大して変わらなかったり、CRTディスプレイが現役だったり、とてもちぐはぐな世界でした。
見ていて感じたのが、凄く露骨なメッセージ性を含んだ映画だなあという印象。如何にも昨今の経済の停滞と資本主義の歪み云々を叫んでいる感じがします。主人公ウィルの行動が特に顕著で、後半は目的と手段がごっちゃになっています。フィリップ・ワイスが正しいんじゃないの? とすら思えてきます。
そして、まさかの「俺たちに明日はない」エンドとは。これが成立する世界観ってどんなものなのだろう。どうしても通貨が時間になる、というネの斬新さのインパクトに頼り過ぎて、他の造りが疎かになっている気がしてなりません。そのため、ああ平凡な作品だなあ、という感想が一番強いです。
オススメ度は3+。まあ平凡なSFかなあと思います。古典SF小説の映像化とかならもう少し印象も変わったかもしれないけど、今の時代に敢えてこれというのは、どうにもこうにも。
Posted: 2 月 18th, 2012 under 2012, 映画.
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