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ミケランジェロの暗号

第二次大戦中のドイツ、ユダヤ人の美術商であるカウフマン一家は、ヒトラーの命令によりミケランジェロの絵画の徴収を受ける。それは、スターリングラードの戦いに備えて同盟国イタリアのムッソリーニに進呈し、同盟関係をより強固にするためであった。
しかし、ナチスには絵画の贋作を持たせる事に成功、しかしそれはイタリア側の代表にすぐ露見し、ナチスによる大々的な本物の捜索が始まる。

第二次大戦中のドイツが舞台の作品。タイトルから「ダ・ヴィンチ・コード」のようなものを連想させられるものの、そういった類の映画ではありません。ユダヤ人迫害を主にしているものの、その惨状などに重きを置いたものではなく、ミケランジェロの絵画に振り回される大勢の人達を、時折コミカルな演出を交えたサスペンス物といった印象でした。
基本的にはシリアスなサスペンスなのだけれど、時折息抜きのようなコメディを挟むのはしつこすぎなくて調度良いと思います。また、それも露骨に笑わせようとはせず、きちんと話の流れに沿ったネタであるのも良かった。特にユダヤ人とアーリア人の区別の仕方のくだりなど、下ネタであるはずが妙に緊張させられました。普通に笑って流しそうになるけど、狙っていたのであれば本当に良く考えられたネタだと思います。ラストもなかなか痛快で、印象も非常に良い映画です。

ユダヤ人とアーリア人との関係もさる事ながら、ナチスというものがどういったものなのか、さらっと知っておくとより楽しめるでしょう。もっとも、あまりにステレオタイプなナチスだったような気がしないでもありませんが。

オススメ度は5−。公開館数は少ないですが、多少足を延ばしてでも観に行く価値は十分にあります。世界史は知っていると尚楽しめるけれど、必須でもありません。気軽にエンターテインメントとして楽しめる作りになっています。

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