127時間
週末はロッククライミングに励む技術者のアーロンは、その週末もブルージョン・キャニオンへ来ていた。いつものように気楽な調子で満喫していたのだが、突然のアクシデントにより岩場の亀裂の中で右腕を岩に挟まれ身動きが取れない状況に陥る。
外部からの助けが見込めない以上、自力での脱出しか助かる道は無い。しかしアーロンは誰にも居場所を伝えず出て来ているため、それは絶望的だった。
監督は「スラムドッグ・ミリオネア」のダニー・ボイル。
実在する人物であるアーロン・ラルストンの実体験に基づくノンフィクション映画です。外部からの救助も見込めず、水も食料も無い状況下に置かれた主人公が、如何にしてこれを打開するのか。そういった内容です。
主人公であるアーロンは最初は実に軽薄に描かれていて、それが徐々に状況に飲まれ神妙になっていく過程が実に見事でした。初めは水なんて割にごくごくと飲んでいるものの、それが無くなるとおしっこを飲んだり、最終的には腕を切って血を舐めるような事になる、そういった段階の踏み方と合間に挟まれる回想や幻覚が秀逸。丁度「スラムドッグ・ミリオネア」を彷彿とさせる展開です。
前評判ではやたら生命力やら熱さやら体育会系の単語でイチオシするものが多数見受けられたものの、正直そんなものは一切感じませんでした。むしろ、悪くなっていく一方の状況にどんどん心の壁を剥がされていく主人公が、それでも心の芯を折らない精神力の強さが際立っているのではないかと個人的には思います。これ、意外と地味に熱い映画ではないでしょうか。
オススメ度は4。詳しくはネタバレになるけれど、痛い描写が苦手な人には駄目な流れがあるので注意した方が良いです。それ以外はかなりパワフルな映画なので満足するはずでしょう。
Posted: 6 月 18th, 2011 under 2011, 映画.
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