ヒア アフター
ジョージは死者と交信する能力があり、かつては霊能者として活動していた時期があった。しかしその生き方が苦痛になり、ある時を堺に一切の活動を辞めて工場で働き始める。
製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ、監督はクリント・イーストウッド。主演はマット・デイモン。
「人は死ぬとどうなるのか?」をテーマにした、人間ドラマの群像劇という一風変わった映画でした。
霊能者のジョージ、双子の兄を亡くしたマーカス、臨死体験をしたマリーと、それぞれの死生観と、それについての対比が興味深かったです。ジョージは自分の力を呪いのようだと言って隠し、マリーは自分の体験を世間に伝えようと四苦八苦、ジョージは死んだ兄ジェイソンと話をしようと霊能者を巡る、そんな三人が終盤ロンドンで出会うことになるのだけれど、正直な話、製作の二人が惚れ込んだとは俄に信じ難い脚本と展開でした。
生死観についての説教も無く、ああしなければならないこうしなければならないという宗教的な教義も無し。ジョージが見る死後の世界の映像は抽象的でどうとでも解釈出来る簡素なもの。そのため、テーマの割にオカルト臭が無く人間ドラマだと思わせられるのだけど、肝心の脚本が御都合主義的なのが残念。特に終盤からラストシーンが唐突過ぎてがっかりすらさせられた。テーマも良いし生死観の描き方も良かったけれど、主軸となる脚本がこれではちょっとがっかりと言わざるを得ません。
イーストウッドのインタビューでは、新ジャンルで覚悟の上とか言ってたけれど、作中に登場するマリーと同じ心境なのかなあ。
オススメ度は4−。面白くない訳ではないけれど、これまでのイーストウッド作品から比べると大分劣ると思います。人を選ぶ内容かもしれません。
Posted: 2 月 19th, 2011 under 2011, 映画.
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