告白
中学１年生のHRの時間、ざわつく教室で担任教師の森口は、唐突に自分の家族に起こった事件の事を語り出した。
森口には一人娘がいたのだが、その子はプールで事故死している。しかし森口は、警察は事故死と判断したが実は殺人であり、自分はその犯人２人を特定している、と告白する。
原作は同名の小説。
監督は中島哲也。「嫌われ松子の一生」以来です。松子の時はエグイ話を随分とコミカルに見易く作っていたんだけど、本作は普通にエグ味を出した本当に暗い話でした。教師による生徒への復讐が主な筋ですが、それ以外にも犯人AB目線からの命とはなんぞや殺人とはなんぞやと問い掛けのようなものがあり、テーマは実は復讐ではなく命そのものについてなのかなと思います。
森口の独り語りは序盤で終わってしまい、ここまででも充分面白いです。そして終盤まではもうイジメやら殺人やら○○いやらもう人間のマイナス部分のごった煮です。幾ら何でもやり過ぎじゃないの？と思うくらい。詰め込めばいいってもんじゃないけれど、実際こういう状況の学校ってあるのかな？ まあ流石に犯人ABみたいなのは早々居るとは思い難いけれど。
終盤に犯人との決着をつけるものの、それもまあ陰湿と言うか何と言うか。よく「復讐なんて虚しいだけだ！」という語りはあるけど、言葉ではなく行動で示す稀なケースではないだろうか。演出の僕なりの解釈なんだけど。
ちょっと気になったのは、あまりに露骨な厨二臭さ。狙っているのかそうでないのか、何にしても１０代には確実にこういうのは受けないだろうなあと思いました。ターゲットは中高年？ 何かで主演の松たか子が子供にも見て欲しいとか言っていた気がするけれど、微妙じゃないかなあ……。
オススメ度は５−。かなりエグイ話です。終始あのノリなので、人によっては精神的に打ちのめされた状態になるかも知れません。しかし、説教云々は除いてもかなり面白いので、万人受けはしないもののオススメ出来る一本だと思います。
Posted: 6 月 5th, 2010 under 2010, 映画.
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