シャッター アイランド
連邦保安官のテディは、相棒のチャックと共にシャッター・アイランドと呼ばれる孤島へ捜査で派遣される。
この孤島に収監されているのは精神病を患った重犯罪者ばかり、島の至る所に警備員が配置されている物々しい雰囲気だった。
捜査の内容は、脱出は不可能であるはずのこの島から一人の囚人が行方不明になり、それを探し出すこと。しかし、テディはこの島について不思議な違和感を感じていた。
主演はレオナルド・ディカプリオ、監督はマーティン・スコセッシ。原作は同名の小説だそうです。
極めて特殊な環境で起こった不可思議な事件と、それに臨む主人公テディ。映画は冒頭から「人間の脳は錯覚に陥りやすい」「この映画には伏線が沢山貼られてますよ」などとやたら見る側の警戒心を煽るような文句が並び、騙されるものか騙されるものかという心理に否応なくさせられます。ここまでやられると多少ひねくれて考えればオチは読めてきて、むしろあの伏線はこの事を指していたのか、というのを探す作業になり易いです。
テディはトラウマを抱えていて、それに関係する悪夢や回想シーンが頻繁に挟まれるのだけれど、その入り方が唐突なせいか、割と映画の世界観が不気味さ理不尽さを強めている印象です。現実なのか違うのか分からなくなりかけてくる上に、「ここは伏線ではなかろうか」という圧迫感もあり、なんかこう見ていると疲れるかな?疲れる見方をしているのかな?という気分。そして、この映画のキモでもあるミステリー要素に関しては、オチに強く関わっているのでノーコメント。ただ、良くも悪くも凡庸なミステリーではないと思います。
僕は割とひねくれて見ていたのでオチも大体想像はついたけれど、それでも確信はなかなか持つにはいたらないし、それ以外にも思わせぶりな描写が多いので退屈はしないと思います。また、オチはイマイチに思う人もいるかもしれないけれど、ラストシーンは中々印象的でうまいのではと個人的には感じました。
オススメ度は3+。心象世界のような描写が多く、オチの質もあって、傑作映画というよりは非常に奇怪、怪作映画という風に個人的には思います。普通のミステリーとして見ると拍子抜けするかも知れません。
Posted: 4 月 9th, 2010 under 2010, 映画.
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