マイレージ、マイライフ
解雇通達の代理を職業とするライアンは、年間322日を出張で過ごす生活をしていた。
彼の目標は通算マイレージを1000万マイル貯めること。マイルの貯まらないお金は使わない主義である。
ライアンは新人のナタリーを教育する事になるのだが、ナタリーはこの解雇通達業務をネット化し出張を廃止する事を提案していた。
主演はジョージ・クルーニー。
マイレージを貯めるのが生き甲斐の主人公ということで仕事人間のお話かと思いきや、意外と意味深な人間ドラマでした。孤独に生きるのが当たり前のライアンだけれど、それに真っ向から噛み付くナタリー、そして気楽な関係と公言するアレックスと、不思議な人間関係を築きます。彼なりの人生哲学に基づくため、突き放すようで優しかったり妙にドライだったりとなかなか捉え所のない印象。けれど、時折挟まれるシニカルなジョークが程良く温めてくれるので、ライアンの人物像が際立って浮くような事もなく、案外周りに馴染んでいるように思いました。けれど、時折ふと思い出したように孤独感を感じる描写が不意打ちのように突き刺さってきて、息を飲んでしまいます。このギャップが何とも言えず、感慨深い気持ちにさせられます。
全体的にはコメディのような印象があるのだけれど、シリアスな部分もあり、またそれらが実に深くシビアな要素が多いので、決してただ面白いだけというものでもありません。人生は複雑で厳しいけれど楽しいことも多い、という縮図なのかな?と個人的には解釈しました。ちょっと最後のライアンは寂しいかなとも思います。
オススメ度は5−。これは見方によって色々な楽しみ方のある、実に大人な感じの映画です。複雑な気持ちにはさせられるけれど、決して暗い映画ではなくシニカルな笑いが楽しめると思います。
Posted: 3 月 21st, 2010 under 2010, 映画.
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