ノウイング
５０年前、小学校の創立記念日に埋められたタイムカプセルには、当時の子供達が未来を想像して描いた絵が納められていた。しかし、ルシンダという少女が納めたのは、紙にびっしりと書き詰めた数字の羅列だった。
５０年後。大学で宇宙物理学を教えるジョン教授、その息子のケイレブは、創立記念日に開封されたタイムカプセルの中から、偶然にもルシンダが書いた数字の羅列を手にしてしまう。
初めただの悪戯だと思っていたジョンだったが、その数字の羅列には恐るべき法則性が隠されている事を見つけてしまう。
主演はニコラス・ケイジ。
人類滅亡の予言がうんたらという、いわゆるディザスタームービーという事で見てきました。
主人公のジョンと息子のケイレブ。実は母親が既に他界していて、冒頭では二人の関係がどこかぎくしゃくしている所から始まりました。人類滅亡のシナリオが云々というのがメインなのだけど、主人公の人物像がしっかりと描かれているのはちょっと意外でした。ジョンが息子とどう向き合えばいいのか悩み悪戦苦闘したり深酒をしたりする姿は、本当に父親らしい印象でした。というか本人も実際父親なのだけれど。「マッチスティックメン」の時といい、不器用な父親の役は本当に良く似合う俳優です。
大事故の預言として、予告編でも流れていた飛行機墜落のシーン。これは本当に凄かった。CGなんだろうけれど、カット無しでジョンが現場に踏み込んで悲惨な状況に半ば呆然としている所は本当に見応えがありました。まるでジョンが「預言は絶対なんだよ」と嘲笑われているかのようで、預言の恐ろしさを印象付けるシーンとも言えます。
そして中盤にももう一つ大事故のシーンがあるのだけれど、こちらはもっと悲惨でした。迫力も凄いのだけれど、僕はどちらかと言うと悲惨の方が印象強かったです。とにかくこの演出のえぐさは、預言の恐ろしさを見せ付けるのに十分だと思います。
ただ、問題はストーリー。序盤から中盤にかけて、テーマがXファイル的で微妙なものだというのに程好い緊張感もあって、実に楽しめたのだけれど、徐々に終盤から脚本が雑になっていく感じがしました。ネタバレになってしまうので言葉を選んでしまうのですが、素直な感想としては「やっちまったな！！」というもの。
そして結末に関してはもう唐突過ぎて溜息が出て来るレベルでした。なんだこの酷い駆け足具合は、と思って監督の名前見たら、前作は「アイ,ロボット」の人だった。思わず「なるほどナー」と溜息が出てしまった。
オススメ度は３＋。劇中にある大事故の２シーンは必見です。後は正直微妙というか人によっては拒絶反応が出るレベル。捻るどころか直球でオチが来るので、覚悟を決めて観に行く代物です。
Posted: 7 月 10th, 2009 under 2009, 映画.
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