MW-ムウ-
16年前に一夜にして島民が失踪したとある島、それはある事件の存在を政府が隠ぺいしたためのものだった。
島の生き残りである結城美智雄と賀来裕太郎。結城は大手の銀行に勤めるエリート社員、賀来は孤児を養う神父となっていた。しかし結城は16年前の事件の影響で心身を病み、事件の関係者を次々と秘密裏に残酷な手段で殺していく。その事実を賀来は唯一知っていたが、結城を裏切る事は出来ずにいた。
原作は手塚治虫の同名の漫画。僕はネットでさらっとあらすじを読んだ程度です。
手塚治虫の作品の中でかなり黒い話で、映像化は難しいとか言われていたそうですが、確かに原作のあらすじを見た限りでは相当なものでした。毒ガスだの肉体関係だのその辺を本当に忠実にやるのだろうか、と思っていたがやっぱり肉体関係とかそういう生臭いのは無しになっていました。まあ当然と言えば当然だろうけど、これって作者の真意に反するのではないか?とちょっと疑問。賀来神父が普通の良い人になっているし。
主演は玉木宏と山田孝之。丁度活躍時の若手でしょうか。二人とも演技力はあって良いのだけど、どうも脚本がグダグダだなあという印象があります。序盤にタイで長々と刑事と結城が追いかけっこをしていたけど、別段印象的なものはなくいきなりダレてしまいました。こんな感じで進むかと思えば、途中随分とはしょったような雑な展開もあったり、一体どこを描き込みたいのかが謎です。別に要らなかったんじゃないかなあ、海外ロケ。
今はもう発禁で見られない映画かな?「太陽を盗んだ男」という古い映画があるんだけれど、原爆と毒ガスを入れ替えてシリアスっぽく見せただけのような感じもします。際どい原作をなんとか映像化しようと頑張ったのかもしれないけれど、規制の多い分中途半端になってしまったのでしょう。それでも原作に頼らざるを得ない、今の邦画の脚本力の無さが如実に現れているなあと思います。
ちょっと気になったんだけど、賀来神父がお祈りをする時にポーズが合掌になるのは何故だろう? 宗派によって違うのかな?
オススメ度は3+。まあこんなものだろうなあ、という後味。だれたりグダグダになったりする事もあるけれど、それなりには楽しめる映画。過度に期待しなければよさげです。
Posted: 7 月 4th, 2009 under 2009, 映画.
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