Lazy Bear

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新宿インシデント

日本へ出稼ぎへ出かけ行方が分からなくなっていた幼馴染のシュシュ、彼女の行方を追って鉄頭は日本へと密入国する。
同じ密入国仲間と共に日銭を稼ぐ日々、そんなある日鉄頭は思いがけずシュシュの姿を見つける。シュシュは暴力団の組長と結婚していたのだ。

主役は御馴染み香港の大スター、ジャッキーチェン。
今回は日本の歌舞伎町を舞台にしたヤクザの抗争がメインに据えられています。宣伝では「こんなに激しいジャッキーは見た事が無い」とかありましたが、正直なところ僕は馬鹿にして見ていました。最近の作品はやはり往年に比べてアクションが少なかったり地味になってきていたので、「激しい」という意味がそれにしか結びつかなかったのです。
蓋を開けてみれば、まさに激しい、というか凄かった。確かにこんなジャッキーは見たことがありません。カンフーの達人でもなく、すばしっこい動きで周囲のものをうまく使って逃げ果すとかは無く、本当に泥臭いとにかく必死な人物になっていました。また、ジャッキーと言えば正義の刑事というイメージがあるけれど、今回は真逆。詳しくはネタバレになってしまうけれど、はっきり言って過去の作品ではおそらく一度もやらなかったような事をいきなりしでかしたり、とにかく度肝を抜かれました。

不法滞在する外国人が急増するという、架空の近未来のような脚本もかなり良好。中国の作品だからかなりバイアスかかるんだろうなあ、と思ったけれど、意外と中立、ニュートラルな印象でした。そもそも冒頭からしてアレだし。中国人の犯罪の手口や、それを利用する日本人の構図や、よく調べているなあと思います。若干、犯罪の手口は古臭いものではあったけれど。暴対法が本編の途中で成立していたから、近未来というよりも”IF”の日本なのかもしれない。

中盤以降、抗争が激化してくると「おいおいおい、暴対法どうしたんだお前ら」と突っ込みたくなるほど激しく血みどろの戦いになっていきます。ちょっとここらへんから脚本が雑な感じがしました。ラストも全て綺麗に終わった感じが無く回収漏れあるだろうと今一つすっきりしない。ちょっとここは勿体無かった。鉄頭がどういった理由で歌舞伎町でのし上がろうとしたのか、それと周囲との構図がうまく出来ていたのに。

蛇足ですが、この作品は中国では上映禁止になったそうです。内容を見れば、単なる残酷描写が理由ではないように思います。それだけ、中国を客観的に見た脚本だったのでしょう。この脚本は本当に秀逸、そして演じたジャッキーもまた凄い。

オススメ度は4+。R-15指定で、結構きつい暴力描写があるので注意。ただ、このあまりに異様なジャッキーの演技は一見の価値アリです。ちょっと気になるのは、今までのジャッキーが好きだったという人は、もしかすると幻滅するかもしれません。それぐらい、今回の演技は変貌しています。

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