GOEMON
時は戦国時代、太閤豊臣秀吉が天下人として世を治めていた。
石川五右衛門は忍あがりの怪盗で、金持ちの金品を盗んでは人々に配る義賊であった。
ある日、五右衛門が盗みに入った家の金庫から奇妙な南蛮製の箱を見つけて持ち出すものの、中が空のため捨ててしまう。しかし、その箱を秀吉の側近である石田三成が血眼になって捜索していた。
この箱にはある秘密が隠されていた。それは、かの織田信長を暗殺するために、明智光秀と羽柴秀吉が結託していたという決定的な証拠である。
主演は江口洋介。
信長暗殺の黒幕は秀吉だった、という歴史ミステリーにありがちなネタを五右衛門を初めとする有名所の忍者で広げた内容です。暗殺ネタは使い古されてる気もするけれど、鉄板ではあるので、こういう二次創作にはうってつけかと思います。
まず脚本なんだけど、完全に同人誌レベルでした。せめて、もっと歴史の時系列に従うとかこの時代の作法とか色々と突っ込みどころが満載。介錯無しの切腹やら血糊のついた刀をそのまま鞘に収めるやら、なんかもう突っ込み始めたらキリが無いくらい。
ただ、そんなお粗末な内容をそれなりに見られるエンターテイメントにしているのが、CG技術をフルに使った独特の世界観。これは本当に凄かった。突拍子も無さ過ぎるけれど、最後までそれに拘った半端の無い所は良いと思います。完全に文化の発祥の順番がカオスだし、むしろオーパーツさえ飛び出して来るんだけど、「こまけえことはいいんだよ!」とすると意外に自然に見えなくもないです。
今回の見せ場として、江口洋介や大沢たかおといった忍者役の人が半年もトレーニングを積んで撮影したというアクションがあげられたいました。ただ、見た感想としてはぶっちゃけ「どこにトレーニングの成果が?」 そもそもCGをバリバリ使ってるので、あんまりトレーニングの成果を感じない気がします。というか必要無かったのでは? 全部CGで補正がかけてあるのだから。まさか、肌を出せるようにただの筋トレだったんじゃあるまいな。
後半以降なんですが、元々歴史云々がぐちゃぐちゃだったのが急激に加速してますますカオスな状況になっていきます。正直なところ、思わず笑い出しそうになるシーンが一つ二つじゃききません。わざと笑わせるためにやってるのなら凄いけれど、多分違うんだろうなあと思うともう白ける訳で。
色々と詰め込みたかったのは分かるけれど、だったら初めからオリジナルで勝負するべきだったと思います。せっかくこれだけ独特の世界観を作れるんだから、そうした方がもっと自由に面白いものが出来たはず。この映画の敗因は間違いなく脚本だと思います。特に戦国だと、嫌でも僕なんか足元も及ばないような詳しい人が粗探しをするはずなのに、何故やってしまったのか。いや、そもそも詳しい人は初めから真に受けて見ないのかな??
オススメ度は3−。まあ、カオスな映画です。ニンジャーな外国人には受けると思います。なんかそれっぽいし。
大した奥行きは無いので、映像だけざっと見て時間を潰すには丁度良いでしょう。
Posted: 5 月 1st, 2009 under 2009, 映画.
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