Lazy Bear

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K-20

第二次世界大戦を回避した架空の時代、日本。
1945年、帝都を一人の男が震撼させていた。その男は事前に予告状を送った後、どのような警備もかい潜り必ず予告した物を盗み出した。その魔法のような手並みと、顔が二十もあると言われる変装の技術から、怪人二十面相と呼ばれていた。


江戸川乱歩の少年探偵団シリーズに登場する有名な怪盗、二十面相をモチーフにした作品。引っ掛かる表現ですが、一応少年探偵団シリーズには無いお話なので。

金城武演ずる主人公の平吉はサーカスの花形軽業師で、二十面相と間違われて逮捕されます。そこから話が展開していくのだけど。
まず、舞台となる架空の時代の架空の都市である帝都。封建制度が残る強烈な格差社会といい、雰囲気はとてもうまく出されていました。原作の雰囲気に近いと思います。小道具やら町並みやらも意外にこっていて、かなり力を入れてるように思いました。

さて、二十面相と言えばやはり明智小五郎と小林少年ですが。本作で明智は中村トオルが演じていました。しかし、これが思ったより酷い。頭モジャモジャで飄々としながらも頭は抜群に切れるのが明智なのに、尊大でさほど賢くもなく身なりは異様にきっちりしているという、何だか微妙なキャラになってました。
また、二十面相も酷いです。非暴力主義者なのに冒頭からかっ飛ばした上で、「死を!」などと物騒な手紙を出したり、主人公に濡れ衣を着せたりとやりたい放題。
そして肝心のオチも、往年のファンなら失笑が激怒か呆れかの三択になるようなもの。商業的に悪いかどうかは別として、少年探偵団シリーズを読んだ僕にしてみれば、良く出来た同人誌レベルに思えました。
否定はしないがおおっぴらにやる内容じゃないだろという印象です。もしかして人物設定の無茶苦茶さも、わざと原作から遠ざけるためにしているんじゃないのか。そう思いました。

僕の場合だと、一番明智のイメージに近いのは陣内孝則かなあ。ああいうちょっと変人な感じ。二十面相は人物像は希薄な方が良い。原作でも自分が一体誰なのか分からなくなる時があると言ってたし。なんか男か女かもはっきりとは分からないとかだったような気がした。

オススメ度は3-。明智と二十面相の対決が好きな人や原作のファンは見ない方がいいと思います。確実にオススメ出来ない。ファンムービー、もしくは同人映画みたいな、何か別のものと割り切れる人でなければ無理そうです。

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